ハンディターミナルのOSとして主流だったWindows Embedded Handheld 6.5の延長サポートは2020年に終了しました。Androidへの移行を検討する企業が増えています。
本記事では、移行が必要な理由や注意すべき点、具体的な進め方をまとめました。
旧来のWindows OSを搭載した端末を使い続けることは、業務停止のリスクを抱え続ける状態を意味します。
マイクロソフトによるサポートが終了したOSは、新しいセキュリティ更新プログラムが提供されないため、脆弱性を突いた攻撃に対して無防備な状態です。
また、最新の無線LAN規格や周辺機器との接続に不具合が生じる可能性も高まり、故障時の修理が困難になりがち。
計画的なAndroid移行を後回しにすると、ある日突然システムが動かなくなるといった、現場の業務に大きな影響を与えてしまうリスクがあります。
移行プロジェクトを成功させるには、現状の把握から段階的な展開までを体系的に進める必要があります。
現状の業務において、どのタイミングでバーコードを読み取り、どのようなデータを送信しているかを細かく洗い出します。
電波が届きにくい場所での作業や、夜間の一括データ送信など、現場独自の例外的な運用を把握しましょう。必須となる機能を明確にすることで、アプリケーション開発時の手戻りを抑制できます。
落下耐性や防塵性能などの物理的なスペックに加え、メーカーによるサポート体制を重視して機種を選定するのが妥当です。
特にOSの更新プログラムが何年先まで提供されるか、故障時の代替機貸出サービスがあるかという点が重要。
周辺機器との相性も含め、将来にわたって安定して運用し続けられるプラットフォームを選びます。
いきなり全拠点で導入するのではなく、特定の工程や拠点に絞った試験導入(PoC)を実施します。
実際の現場環境でスキャンから印刷までの一連の動作を確認し、通信の途切れや操作上の不備がないかを検証。
不具合が発生した際のログ取得方法や、旧端末への切り戻し手順をこの段階で決めておくと安心です。
操作方法が変わる現場スタッフへの教育を丁寧に行い、拠点ごとに時期をずらして順次導入を進めます。
同時にMDMを活用して、初期設定の自動化やアプリの遠隔配布が行える体制を構築。
一括管理によって運用の標準化を図ることで、トラブル時の迅速な対応が可能になり、長期的な運用コストの安定に寄与します。
Androidへの移行は、単にハードウェアを更新する作業ではありません。
アプリケーションの互換性、操作性の変化、端末管理の手法、セキュリティの維持、周辺機器との接続性という5つの観点で事前の設計が求められます。
Windows向けに開発されたアプリケーションはAndroidでは動作しないため、作り直しが必要です。
古いプログラムをそのまま移植しようとすると、OSによる権限管理や通信方式の違いから、想定外の工期遅延を招く原因に。
画面構成やエラー処理、基幹システムとの連携方法をゼロから再設計する方が、結果として保守性の高いシステム構築に繋がる場合もあります。
Android端末は物理的なテンキーが減り、タッチパネル操作が中心となる傾向があります。
ピッキングなどの反復作業が多い現場では、操作手順が少し変わるだけでも全体の作業効率が大幅に低下したり、入力ミスが増加したりするもの。
導入前に現場のスタッフが実機に触れ、手袋をした状態での操作感や画面の遷移動線を徹底的に検証することが、移行後のトラブルを防ぐ鍵です。
AndroidはWindowsに比べて更新頻度が高いため、手動で全ての端末を管理することは現実的ではありません。
MDMと呼ばれる管理ツールを導入しなければ、業務に関係のないアプリの利用や、紛失時の情報漏えいを防ぐことが困難になります。
複数の拠点にある多数の端末に対して、一括でアプリの配布や機能制限を行う仕組みを整えることで、運用工数の削減と安全性の両立が可能です。
端末の寿命を判断するには、ハードウェアの頑丈さだけでなく、セキュリティパッチが提供される期間も考慮しなくてはなりません。
Androidは毎月のように脆弱性情報が更新されるため、長期間のOSアップデートを保証している機種を選ぶのがポイント。
更新が滞る端末を導入すると、数年でセキュリティリスクが顕在化し、再び買い替えを検討しなければならない事態に陥る可能性があります。
これまで問題なく動いていたプリンタやWi-Fi環境が、新端末への切り替えによって接続できなくなることがあります。
Bluetoothの通信プロファイルや、無線LANの暗号化規格が新しいOSの仕様と合致しないのが原因です。
導入の最終決定を下す前に、実際に使用する現場の環境で確実に通信が行えるかテストを行い、動作を確認する必要があります。
Windows系ハンディターミナルのサポート終了は、単なるリスクではなく、現場のデジタル化を推進する機会でもあります。
Android移行を成功させるには、OSの更新期間を見据えた端末選定と、MDMによる統制された運用設計が不可欠です。
特に大規模な現場ほど、事前の検証と段階的な導入が業務の安定を守る重要なポイントとなります。
当メディアでは導入現場別におすすめのハンディターミナルメーカー・製品を紹介しています。自社に適したハンディターミナルを選定する参考になれば幸いです。

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